


経済学部では、社会で求められる力をもった“創造的ビジネスパーソン”を育成するために、さまざまな体験型教育を実践しています。高度なIT活用能力を身につけることを目指す「経済学部IT特別プログラム」においても、体験型教育の一環として、「IT特別演習(朴恵一講師担当)」のクラスで、世界的半導体メーカーのインテル株式会社とコラボレーション。女子高校生のライフデザインマガジン「JOL」とも連携して、Intelからの“ミッション”である「学生生活でのICT(情報通信技術)の新しい活用方法の提案」について、高校生・大学生がそれぞれの視点から企画立案。
2012年1月21日(土)には、八尾駅前キャンパス“the Oval”にインテル株式会社の担当者をお招きして、プレゼンテーション大会を開催。それぞれのプレゼンターから独創的な提案がなされ、会場は大いに盛り上がりました。オリエンテーションからプレゼンまで、プロジェクトの様子をご紹介しましょう。


「はじめまして。皆さんは、Intelが何をやっている会社か、ご存じですか?」
2011年12月8日(木)、今回のプロジェクトのキックオフとなるオリエンテーションが開催されました。オリエンテーションは東京にあるインテル株式会社のオフィスと、大阪経済法科大学をインターネット回線で接続した「テレビ会議」形式で実施。冒頭、Intel担当者の方から投げかけられた問いに、「IT特別演習」の受講生たちが回答します。
「CPU、中央演算処理装置をつくっている会社です」
「はい、その通りです。私たちIntelは、パソコンやスマートフォン等のIT機器の脳となるCPUをはじめとする半導体を開発し製造・販売している会社です。私たちは、より高い性能をもった製品を開発するとともに、ITを活用した新規ビジネスの発掘・開拓にも取り組んでいます。IT機器の活用が進むことがマーケット拡大にもつながるからです。そこで、みなさんに提案していただきたいのは、“学生生活でのICT(情報通信技術)の新しい活用方法”です。ITをこのように活かせば、キャンパスライフはもっとよくなる、というプランを提案してほしいのです」
Intelからのこの“ミッション”を受け、学生たちのプロジェクトがスタート。
「まずは、みんなのニーズやアイデアを出し合ってテーマを決めて。そこから、市場調査やデータを分析し、現実性やコスト面、課題などを洗い出してみよう」
朴講師の指導のもと、学生たちは5つのチームにわかれて検討を始めました。


プレゼンテーションまで授業は5回。提案日までのスケジュール(進捗目標)と手順を確認し、各チームはディスカッションを開始しました。まず、アイデアを付箋紙にどんどん書き出し、それを整理しながら結論や課題解決策を導き出していくKJ法という手法を使ってテーマ設定を行いました。あるチームでは、
「毎日の大学生活を記録していけば、就職活動や将来の社会生活に役立つのでは?」
「生活を記録するIT技術か。そうだ、ライフログについて、調べてみよう」と。
別のチームでは
「スマートフォンよりもっと情報に触れながら生活する方法はないかな?」
「眼鏡が情報端末になっているとか?」
学生たちの視野や発想を広げるために、朴講師がアドバイス。
「面白いアイデアだね。ヘッド・マウント・ディスプレイ(頭部に装着するディスプレイ装置)などの技術は進んでいるから、調査してごらん」
学生たちは、先生からのヒントを手がかりにインターネットで資料を収集したり、以前に調査した学内のスマートフォンの普及調査データをまとめたりしながら提案内容を固めていきました。
3回目の授業からは、プレゼンテーションの準備に。これまでの授業で培ったIT技術を生かしてパワーポイントを使って提案内容を視覚化。単純に情報を羅列するのではなく、写真やチャートを使うなど、趣向を凝らしたスライドを作成。こうして、“見せ方”にもこだわった提案ツールができあがっていきました。




そして、いよいよ、発表当日。あいにく小雨が降る中、東京から3名のIntel担当者をお迎えし、八尾駅前キャンパスのプレゼンテーション教室を会場に、プレゼンテーションが始まりました。女子高校生「JOL」チームからは、「スマートフォンひとつで通学もラクラク!」や「学校内のさまざまな最新情報を個人のタブレットで確認」「どこでも世界中の女子高校生と交流できるしくみをつくる」などの3つの提案がなされました。
大阪経済法科大学の5つのチームからは、「携帯向けポータルサイト」や「多機能ICカード」「スクールログ」など、大学生活をより便利にするアイデアが提案されました。学生たちから繰り出されるユニークな提案には、ときに笑いやどよめき、拍手も起こりました。彼らの提案一つひとつに、真剣な表情で質問を投げかけるIntel担当者の方々。学生たちの生の声を通じて、新たなビジネスのヒントを得たいというその姿勢に、学生たちは緊張しながらも自分たちの意見を述べて真摯に応えていました。
すべての発表終了後、JOL・大阪経済法科大学それぞれのチームの中で、特に優れた提案を表彰する特別賞の発表が行われました。JOLチームからは「最新情報を個人のタブレットで確認」、大阪経済法科大学チームからは「スクールログ」を提案したチームが受賞し、記念品が贈呈されました。
「スクールログ」の提案を特別賞に決めた理由について、Intel担当者の方は、「評価のポイントは、IT業界のトレンドに乗った提案だったことです。ライフログなどの“ビッグデータ(大量のデータ)”は、昨今のIT業界における重要キーワード。ビッグデータは、分析や再利用することによって得られる価値が高いと考えられています。そうした点に注目し、ログを就職活動や企画立案のヒントに利用しようと考えたところがよかったと思います。どのチームも、素敵な提案でした。ありがとうございました!」
朴講師は最後に今回のプロジェクトを総括して、次のように学生たちにアドバイスしました。
「今回、よい緊張感の中で、企業相手に提案を行うという“生きた学習”の機会を持つことができました。今後更に調査・研究を続けて、卒業論文としてまとめてくれることを期待します。」
企業からのミッションを受け、自分たちで調査研究を行い、提案をプレゼンテーションする。普段なかなか体験することのできない“実践的な学び”を経験し、学生たちは達成感と満足感にあふれた表情を見せていました。彼ら・彼女らの健闘を称え、今後の成長を期待する聴衆たちの拍手の渦の中、無事プレゼンテーション大会は終了しました。
| 授業動画や部活情報、就活情報など在学生向けにより利便性を高めた スマホ向けアプリ。 |
| RPGのゲームのように学生生活をポイント化し、さまざまな特典が付与されるIC学生証。 |
| 財布の中で膨らむ多数のカードをひとまとめにできる多機能ICカード。 |
| ライフログとして学生生活すべてをデータ化して記録。就職活動や社会生活で活用する。 |
| ヘッドマウントディスプレイ(頭部に装着するディスプレイ装置)を進化させ、メガネに情報を表示して生活の利便性を高める。 |